前回は私の所有しているR101の仕様と単体の排気能力について書きました。ただ排気の能力だけを語っても意味がないので、火力との関係について考えていきます。
R101の排気は強いのか問題-再び
排気をもう少しだけ掘り下げて火力との関係を考えてみます。前回私は
条件によって事足りているという表現をしました。
そもそも、なぜ焙煎機は排気(強制排気)を必要とするのでしょうか? 排気とはいったいなんでしょうか?
焙煎は対流、伝道(接触)、輻射の3つの熱によってなされいます。
このうち
排気(空気)は対流熱の媒介です。コーヒー豆にカロリーを与えるべく、熱された空気を釜内に送り込むために強制的に排気(吸気)をしています。また釜内で発生する豆の味に支障する煙などの排出も同時に行っています。
焙煎は接触熱だけ(輻射含む。厳密には接触だけということはない)でもできますが、豆がドラムに触れた部分しか熱が伝わりません。対流熱は空気が媒介なので、点での接触ではなく包むような熱の伝わりかたをします。ゆえに伝道熱よりも効率よく豆に熱を伝えていくと言われています。
じゃあ、R101もダンパーを全開で排気をして効率的に熱をあたえればいいじゃん!
と思うかもしれませんが、では
R101は流れていく空気にどれだけカロリーを与えられる釜なのか?という疑問が浮かびます。
火力と排気の関係を考えてみる
排気の強弱はその釜のもっている熱源の強さと一緒に考えなければなりません。
私が焙煎を始めようと思った時、3kg釜、5kg釜の先輩方はみな火力をアップ(バーナーを増設)していたので、R101についても火力をアップするのがいいことなのだと思っていましたが、メーカーでは「バランスを考えないといけない」と何度か言われてしまっていました。ようやく意味がわかってきました(遅い!)
ここで、R101の公式のカロリーを現行機種カタログから持ってくると2.44kW(2,100kcal/h) という値です。私の釜はさらにここから1割ほど引いたカロリーしかありません。
この値は卓上カセットコンロよりも小さい数値です。
ちなみに250g焙煎のディスカバリーは2.2kw(1,900kcal/h) です。およそ3分の1の焙煎量のディスカバリーとほとんど熱源カロリーが同じです。
きちんと計測をしていませんが、熱源もそんなに強くないということが言えると思います。
これが意味するところは、火力を無視して排気量を増やしても釜内を通っていく空気に十分なカロリーを与えられていないということになります。
結果的に豆にあまり温度の高くない空気をぶつけてしまうので、温度上昇の妨げになる可能性=適切にカロリーがあたえられない場合があるということです。
まとめとして言うと、排気能力単体で見れば強くはないが、カロリーとのバランスをとるには(空気を熱するには)これくらいの排気能力じゃないと釣り合わない。ということになると思います。それゆえに事足りているという表現に行き着きます。
あってるか?
次回のお話
じゃあ、どうやっていくのがこの釜の正解なのか。
私は正解を知らないので(苦)おそらくという話しかできませんが、他の釜と見比べた時に気がつくことや、あとはR101のあるある的なことを買いていければなと思います。
本当はもっとライトに書くつもりだったのになぁー
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